縁起

吉田寺の創建と恵心僧都源信

吉田寺の創建は古く、天智天皇の勅願によると伝えられ、本堂西側には妹君・間人内親王の御陵と伝えられる清水の古墳がある。その後、平安時代末期、永延元年(987年)に恵心僧都源信が開基された。
浄土教の先駆者として知られる恵心僧都源信はお念仏のみ教えを早くから世に広められ、その著書の「往生要集」では、お念仏による衆生救済の功徳を理論付けられた。浄土宗の法然上人や浄土真宗の親鸞上人にも多大な影響を与えられた。

御本尊・丈六阿弥陀如来

(重要文化財指定)

吉田寺の御本尊は奈良県下最大の阿弥陀如来座像である。起立されたときの御身丈が一丈六尺(およそ4m80cm)ほどであることから丈六阿弥陀如来と呼ばれる。恵心僧都源信が吉田寺の境内の栗の木から、お念仏のなかに一刀三礼、尊像をお刻みされた。阿弥陀如来の大慈悲をあらわす千体仏の光背をもち、上品上生印を結ばれた、端正なお顔立の阿弥陀如来像である。


多宝塔

(重要文化財指定)

御本尊を刻まれた栗樹の切り株の跡に建立されたと伝えられる二層の塔。室町時代・寛正四年(西暦1463年)に創建され、内には恵心僧都源信の父・卜部正親公の追善のための秘仏・大日如来像が安置されている。毎年9月1日~2日および11月1日~3日のみ開扉される。方三間、高さおよそ12m。

鐘楼

かつての梵鐘は戦時下に供出された。現在の梵鐘はシベリア抑留から帰還した浄譽長悦によって新調されたものである。各法要で使用されるほか、毎年8月6日午前8時15分に平和の鐘つき、大晦日には除夜の鐘つきが行われる。


慈母観音菩薩

参拝者をお見護りくださる石仏の観音菩薩。交通事故で母を亡くした幼児の無事成長と母の追善菩提を願って安置された。(写真左)

延命地蔵尊

参拝者をお見護りくださる石仏の地蔵尊。毎年7 月に数珠繰りお念仏を中心とした地蔵盆が賑やかに勤められる。(写真右)